WordPressの仕組みと構造

WordPressの仕組みと構造

WordPressは、仕組みを知らなくても簡単にホームページやブログ等のWEBサイトが作れます。
WordPressを動かすためのWEBサーバーで、プログラム言語(PHP)と データベース(MySQL)が利用できれば、WordPressをインストールでき、手軽に利用できます。
WordPressの仕組みを理解していなくとも、標準提供されている管理画面を使ってある程度の設定などは可能です。
しかし、細かいデザインを変更したいとか、機能を追加したいとか、バックアップを取りたいような場面では、WordPressの仕組みを理解する必要が出てきます。

WordPressについては、下記のWordPressのサイトもご覧ください。
WordPress.org 日本語
WordPress Codex 日本語版

WordPressの概要図

WordPressの本体は、WordPressのサイトよりダウンロードできます。
WordPress本体をインストールすると、下図のような状態で動作環境ができあがります。
wp1
初期インストールした後で、表示したいデザインのテーマや、組み込みたい機能のプラクインをインストールして、利用者の好みにカスタマイズして利用します。
新しいテーマや子テーマをインストールすると、WEB領域の/wp-content/themesディレクトリ配下に保管されます。
新しいプラグインをインストールすると、WEB領域の/wp-content/pluginsディレクトリ配下に保管されます。
WordPressの管理画面で設定した各種の設定情報や、投稿記事、固定ページの内容は、MySQLデータベースに保管されます。
メディアファイルとしてアップロードした画像や写真、PDF、その他の各種ファイルは、WEB領域の/wp-content/uploadsディレクトリ配下に保管されます。

WordPressで毎日変動するデータのバックアップ

「WordPressの概要図」で説明したように、WordPressの本体(旧バージョンも)はWordPressのサイトよりダウンロードできるので、バックアップは気にしなくとも良いですが、
テーマやプラグインを追加・変更して日々サイトを改善したり、記事の投稿や固定ページの追加・変更などを行った結果のデータは、自らバックアップを取る必要があります。
WEBサーバーを提供する各社レンタルサーバー会社では、「動かす環境は提供するが、データは自己責任でバックアップを取得してください」と言うのが基本姿勢ですので、
万一利用しているサーバーの障害が発生した時には、データのバックアップが無いと復旧する事はできなくなります。
個人のWEBサイトでしたら大事にはならなくとも、会社のWEBサイトならば、定期的なバックアップを取得する運用が望まれます。
データーのバックアップは、MySQLデータベースのSQLDUMPを取得するのと、/wp-content配下の全データのバックアップコピーを取得するのが手軽な方法です。

WordPressのWEB領域上の構造と用途

WEBサーバーにFTP接続等を行い保守をするような場合には、WordPressのWEB領域上の構造と用途を理解していると、間違いが防げます。

WordPressの導入先を起点としたディレクトリ構造

ディレクトリ 用途&備考
/ WordPress本体のPHPプログラム
下記のファイル以外は通常は変更しない
.htaccess:サイトの場所を変える時にリライトエンジンの記述をする
index.php:サイトの場所を変える時にディレクトリのパスを変更する
wp-config.php:WordPressの実行環境を変える時に変更する
wp-includes WordPress本体のPHP関数,JavaScript,CSSなど
通常は変更しない
wp-admin WordPress管理画面用のPHPプログラム,JavaScript,CSSなど
通常は変更しない
wp-content WordPressの流動性が高いデータの保存場所
cache キャッシュデータで、存在しない場合もある、無視して良い
languages 言語サポート用のファイル、無視して良い
upgrade アップグレード時のファイル、存在しない場合もある、無視して良い
themes テーマや子テーマの格納場所
WordPress管理画面やFTPを用いた変更をする
plugins プラグインの格納場所
WordPress管理画面やFTPを用いた変更をする
uploads 各種メディア(画像,PDF,その他)の格納場所
WordPress管理画面からメディアのアップロードや削除、編集などをする

テーマの基本構成と用途

WordPressのテーマ(小テーマも)は、「/wp-content/themes/テーマ名」と言うディレクトリに格納されています。
利用するテーマによってプログラムの構成が変わってきますが、ここでは、代表的なものを説明します。
テーマを構成する部品は、目的とする画面別のテンプレートプログラムと、各画面共通で利用される共通部品のプログラムに分類できます。
画面別のテンプレートプログラムは、共通部品プログラムを呼び出し、共通部分の画面組立と、各画面個別の処理をするような構造でコーディングされています。

共通部品のプログラム

基本的なテーマの場合の例になります。この考え方を拡張して各テーマが作られています。

header.php 画面のヘッダー部

その他の全体で利用される部品

functions.php 共通処理を行う関数
style.css 全体で利用されるCSS(スタイルシート)


詳しくはテーマディレクトリ内のreadme.txtを読んで
各テーマ開発者のWEBサイトの解説を確認してください。
sidebar.php
画面の
サイドバー部
footer.php 画面のフッター部

この図を理解すると、例えばフッターの「©表記」を変更したいと思ったら、footer.phpを改造すれば良いと思いつくと思います。例えばヘッダーの表示内容をカスタマイズしたいと思ったら、header.phpを改造すれば良いと思いつくと思います。全体の表示文字サイズを変えたかったリ、字体を変更したいとき、全体の装飾を変えたいと思ったときなどは、style.cssを改造すれば良いと解ります。

目的とする画面別のテンプレートプログラム

各画面別のテンプレートプログラムからは、先に説明した「共通部品のプログラム」を呼び出すコーディングになっています。部品化により、該当するページのコンテンツの処理だけが見やすい形でプログラミングされています。なお、該当するページを処理するPHPプログラムが無かった時にはindex.phpが動く仕様になっています。ここでは、基本的なテーマの場合の例で用途を説明しますが、テーマごとにさらに部品化したり、子テーマから親テーマを呼び出す仕組みにしていたりするものもありますので、各テーマの配布元の解説などを確認していただく事が確実です。

プログラム 用途
index.php トップページ用
home.php フロントページ用(無い場合も多い)
page.php 固定ページ用
single.php 投稿ページ用
archive.php 投稿のアーカイブ一覧ページ用
アーカイブの一覧については、下記のように細分化されている場合もある
category.php カテゴリ別一覧
tag.php タグ別一覧
date.php 日付別一覧
author.php 投稿者別一覧 など
search.php サイト内検索の一覧ページ
404.php 該当のURLが存在しなかったときに表示するページ
404エラー、Page Not Found用

※その他テーマにより、コンテンツ個別表示、コメント表示、画像表示などが細分化や部品化されている場合もあります。

WordPressの活用で知っていたら良い事

・簡単な利用(例えば投稿記事の掲載や写真の差し込み程度)ならば、特に何も!
・コンテンツの表示・固定ページの装飾や配置にこだわりたいなら、「HTML」の知識を!
・デザインにこだわりたいなら、スタイルシート「CSS」の知識を!
・各機能をカスタマイズしたいなら、「PHP」プログラムの知識を!
・DB処理を伴う仕組み(業務処理など)のプラグインを作りたいなら「MySQL」の知識を!
このように、WordPressは、初心者~上級者までレベルにあった活用ができるCMSです。

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